Blanc ou Noir

 

 

 



ユキが死んだことは新聞や雑誌に小さく薬物摂取過多による事故死と載っただけですんだ。
無名のインディーズバンドとはいえ、本当の死因を追究されてはかなわない。
いっそ、俺たちの関係を明らかにしてしまおうとも考えたが、
余計に話がややこしくなるからと止められた。
麗奈も黙っていると言ってくれた。
彼女はあれ以降、改心してキャバ嬢を辞め、マジメにバイトしている。
光は…相変わらずらしいが。

白か黒か、明暗は自分次第で変えられる。

そうして残された俺たちは前向きにNoirを続ける決心をした。
忘れるためじゃなく、忘れないために。
そうすることでユキは俺たちの中で生き続けるから。
ユキの死後、俺はユキとの関係をずっと悔いていた。

でも今は違う。悔いることなどないのだ。
互いに愛し合う気持ちがいちばん大切なんだと気付いたから。
ユキは最期に微笑んでくれた。ユキの人生の中ではほんの微かな幸せだっただろう。
でもそれが俺にとっても、ユキにとっても、救いになったに違いないのは確かだ。
その微かな幸せを糧に俺は生きていく。
これからの人生、俺はいろんな人と恋愛をするだろう。
でもユキとのことは一生忘れない。忘れたくない。

ユキ、愛してるよ。これからもずっと……。

 

 

 

 

 

 

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