ユキが突然「秋也が欲しい」と言ってきたのだ。
俺の知るかぎり、奴は根っからのゲイではなく、付き合ってきた女も少なからずいた。
だから初めは冗談だと思った。だが奴の目はマジだった。
俺はとまどった。
俺に女はいなかったし、ユキのことは嫌いじゃない。
でもそれはメンバーとしてであり、恋愛の対象としてではない。
それを考えると嫌悪感すら覚えた。
俺が答えに困り、黙っているとユキが口を開いた。
「そうだよね。ボクたち、男同士だもんね。ゴメン…」
そして俺に背を向けた。
そのとき、俺の中でなにかが弾けた。
だめだ!
ユキは情緒不安定な人間だ。自傷癖すらある。
きっと今、ユキはせっぱつまっているのだ。このまま行かせては奴はまた…!
気付けば俺はユキを後ろから抱きしめていた。
ユキは、か細い声で「秋也…ありがとう…」とつぶやいた。
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